外海に面した海流がぶつかる磯にポツリと立って、マキエを使用しないで仕掛けを投入したとします。
そして、自分の仕掛けのエサにターゲットが気付いてくれるのをただひたすら漫然と待ちます。
たまたま近くを通りかかった魚がエサに気付いて喰いついてくれることもあるでしょう。
しかし、これは、近くを通りかかってくれない限り、エサに気付いてもらえないまま一日を過ごすことになることを意味します。
しかし、ここでマキエを使えば、広い範囲の、しかも深いところにいる魚にもエサがあることをアピールすることができます。
マキエを使えば、たまたま近くを通りかかるのを待つよりも、仕掛けのエサに気づいてもらうチャンスを増やすことができるのです。
マキエを使えば、たまたま近くを通りかかるのを待つよりも、仕掛けのエサに気づいてもらうチャンスを増やすことができるのです。
マキエの効果は、気付かせるチャンスを増やすことができるだけではありません。
寄ってきた魚をその場所に留めておく効果も期待できます。
マキエを使う釣り方は、効率の良い、合理的な釣法であるといえるのです。
というのがマキエの集魚効果についての模範的な説明になりましょうか。
釣りは基本的に魚の食欲を利用して針で引っ掛けます。針の付いた仕掛けまでエサの匂い(味)で誘引するわけです。
水産学の世界では、餌に多く含まれるアミノ酸成分を調べることで、養殖魚の食欲を増進させる化学物質について研究がなされています。
この、魚の食欲を刺激する物質を『摂餌刺激物質』とよび、魚種によってその成分は異なります。
摂餌刺激物質は釣りの世界においても釣り餌メーカー等により、対象魚種に合ったより効果的なマキエ(配合飼料)が研究開発されています。
とはいえ、飼料に慣れている魚と、そうでない魚で摂餌刺激物質による反応が異なることがあるようで、天然魚を狙う釣りにおいてはあまり効果が期待できない場合があるように思われます。
さて、このブログ的には『磯のクエ釣りにおけるマキエ』について僕の持論を語らせていただくわけです。
が、その前に、クエってバリバリのフィッシュイーターではないような気がします。
僕の思うフィッシュイーターというのは、正常な活魚を常食としている魚って意味ですよ。
もちろん、上物師が掛けた獲物に喰らいつくことがあるように、元気な魚に猛然と襲い掛かることがあるのは確かです。
しかし、普段のクエは、生きた魚を狙って喰らいつくというよりも、弱った魚介類もしくはこれらの死骸を拾い喰いしているのではないかと思うのです。
だからと言って、マキエに飼い慣らされてこんな摂餌をされると、これはこれで針掛かりさせられそうにないですね。